学校に行けなくなって、徐々に部屋に籠ることが多くなってきた長男。
我が家は共働きの為、初めのうちは心配で嫁がたまに仕事を休み様子を見ていましたが、部屋では一日中ゲームをやっているようでした。
ずっと部屋にいることは分かるものの、心配になるので何か理由を考えては話しかけたりします。
親ですから・・・心配なんですよね。
つれない返事でも、声を聴くだけで安心します。
この頃は、まだ学校に戻ってもらいたいと思っていた頃なので、朝になると部屋に入ってカーテンを開けていました。生活のサイクルを維持してもらいたかったからです。
今思えば、長男はなにも構わずにそっとしておいてほしかったのだと思います。
それから深夜まで起きていることが多くなり、それが朝方まで続くようになってきました。
『昼夜逆転』の始まりです。
朝方まで起きていて、自分たちが起きる頃に静かになります。
親が部屋に入れないように、部屋のドアを開かないようにしていたのもこの頃だったと思います。
こうなると会話はほぼ無くなってしまい、親の心配もこれまでにないものとなってきます。
顔を見るのも2~3日に一度くらいだったでしょうか・・・
たまに見る長男は、生気がなく抜け殻のような状態に見えました。
長男から嫁のlineに『自分が生きているか死んでいるか分からない・・・』と送ってきたこともあります。
それまでは『学校に戻ってもらいたい』という気持ちでいっぱいでしたが、この頃からとにかく健康でいてくれればいい・・・とにかく元気になってほしい・・・
それだけが願いでした。
なんとか状況を変えたくて、嫁といろいろなことを話しました。
学校や空手の友達に連絡とってもらおうか?会いに来てもらおうか?
空手の師範がいつでも行くからと言ってくれていたので、来てもらったほうがいいかな?
どこかに遊びにいこうか?
なんとかしたかったのです。なんとか・・・
長男に相談してみると『今、人と会うのが怖い』と言われました。
コンビニにも行けないと言います。
人と会うのが怖い?
怖いってどういうことなんだろ・・・
ネットで調べると『対人恐怖症』という言葉を初めて知りました。
精神的な病のようです。
調べれば調べるほど不安が募ります。
『このまま、ずっと人と会えないのか?』『これから長男はどうなってしまうのか?』
怖かったです。
対人恐怖症克服の本も買いましたね。長男の目につくところに置いたり、『気になったら読んでみてね』なんてお願いもしました。
当然読むことはなかったですが・・・
この頃は3軒目の大きな総合病院の心療内科に嫁だけが受診しに行ってた頃で、先生に相談したところ『一時的に薬で気持ちを楽にしてあげる方法もある』と言われ、 飲む、飲まないはお任せしますとからと処方してもらいました。
薬についてもいろいろと調べていましたが、できれば子供には飲ませたくない。
でも、子供が楽になるのかな・・・?
いろいろ考えましたが、やはり薬という選択はできなかったですね。
何があるか分からないし、なんとなく直感で後悔しそうな気がしたからです。
今考えると、この時の直感は我が家にとっては正しかったと思います。
いろいろな状況な方がいるので一概には言えないのですが、学校に行っていないので人(知り合い)に会うのが怖いのは当然の事なんです。ただ表現が『怖い』となってしまうので、大丈夫かな?と考えてしまうのですが、普通に会うのが嫌なだけなんですね。
我が家では別に『対人恐怖症』でもなんでもなく、ただ知り合いに会いたくなかっただけなんです。親が勝手に『対人恐怖症』と決めつけただけでした。
でも、当時は親も心配の塊みたいになっているので、とにかく疑心暗鬼。
精神的に弱くなっているので、すべてをマイナスに考えてしまう。
この時期にこそ、親にも的確なアドバイスが必要なのだと思います。
一つだけ言えることは、何よりもまず子供が元気になる事。
これだけは間違いないことだと思います。
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