【不登校】妹に訪れた最大のピンチ

不登校
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時は4月の下旬・・・


復学して1カ月弱、二人ともたまに休むこともありましたが部活動までこなして帰ってくるのが当たり前の活動的な生活が戻ってきました。


この頃になると親である私達も、1年以上辛い思いをしたことが遥か昔の事のように思えるほどになっていました。


【子供が普通の生活をしている】


これだけの事なのですが、当たり前の生活を送れることで精神的に満たされていたからだと思います。


受験まで1年弱の期間があることも精神的な余裕の要因となっていました。


長男の場合は部活動が終わり『これから本格的な受験勉強』という時期に不登校になってしまったので学校に行けないという焦りはもちろん、目の前に迫ってきている【受験】がどうなってしまうのか・・・という不安で押しつぶされそうになりましたから。


娘たちが中学2年生の1年間の学力の遅れを取り戻すのは容易ではありませんが、学校に行けない日々を想うとちっぽけな問題でしかありません。


普通の生活ができているだけで十分なのです。


何でもない【当たり前の日常への感謝】の気持ちはこの頃からより一層強く持つようになったような気がします。


部活動のほうも復学してからは何の問題もなく順調でした。


一年間不在だったのでこれからの大会に出場できるかどうかは厳しいですが、姉妹ともに大会に出たい気持ちがあるので練習にも力が入っているようです。


そんなある日、高校生の県大会が開催されました。


我が県では器械体操の競技人口が少ないので、高校生の大会でも中学生が総出でお手伝いするのがお決まり。


そこでまた一つ事件が起きてしまったのです。


大会のお手伝いは器具の設置や得点板の表示、そして後片付けが主となります。


そしてその後片付けで器具を運ぶために二人一組で運んでいた時に、たまたま妹が一人になってしまったのです。


それを見た仲の良い友達3人に我が家の姉も一緒になり、皆でおふざけ的に妹のボッチいじりを始めたのです。


当然本気のイジメではなく友達の範囲内でのおふざけだったようですが、妹にとってはとても辛かったようで家に帰ってきてから過呼吸を起こしてしまう程の号泣をしてしまいました。


これまで何事もなく順調に過ごしていたので、久々の状況に自分も嫁も頭の中で不登校の日々を思い出しました。


姉を含めた友達たちが軽いノリで言ったことは十分に理解していましたが、やっと軌道に乗ってきたところなのにまた繰り返してしまったら・・・


自分は友達たちには当然、姉にも怒りにも似た感情を持ちました。


嫁も同じでした。


その日の夜、姉に『貴方たちは軽い気持ちで言ったのかもしれないけど、受け取った本人は泣くほどイヤな気持ちになっている。一緒になって言うんじゃなくてフォローしてあげてほしい。』と伝えました。


姉もそれほどの出来事だと思っていなかったようで『へ?』という感じでしたが『今度から気を付ける』と理解してくれました。


まずは何よりも妹のメンタルが心配です。これがきっかけとなってまた不登校になるのでは・・・そんな不安が頭をよぎります。


これまで順調に進んでいたこともあり『また、この重い気持ちを味わうのか』と思いました。


その夜、妹は夕飯も食べることなく部屋に閉じこもってしまいました。


明日の朝、妹はどんな行動を取るのだろう?と考えると不安でいっぱいです。


何も起こらないことを願って、妹の気持ちの強さを信じるしかありませんでした。





不安でいっぱいの次の日の朝、妹は起きてきましたが学校に行く時間になると泣き始めました・・・


『行きたくない』と涙が止まりません。


やはり妹にとって昨日の出来事は辛く耐えがたいものだったのでしょう。


『休んでもいいよ』と嫁が妹に話しかけます。


それでも妹の涙は止まりません・・・


『行きたくない・・・行きたくない』妹が呪文のように繰り返します。


自分も嫁も黙って見守る事しかできません。


そういえばなぜか姉が起きてきません。


昨日妹の事で注意したことが気に入らなかったのでしょうか。


何か、我が家の中に不登校期間に味わっていた重い空気感が流れ始めてきたような気になりました。


すると妹は『行きたくない・・・行きたくない』と言いながら制服へ着替えを始めたのです。


自分も嫁も『???』となりましたが、泣きながらも学校に行こうとしています。


『無理しなくていいんだよ』と嫁が伝えますが、準備を辞める気配がありません。


そして泣き止むこともなく、そのまま玄関を出て学校に向かったのです。


心配でしたが『気を付けて行って来てね』と見送る事しかできませんでした。


その日妹は、部活こそ行きませんでしたが学校で授業を受けてきたのです。


一方の姉はなぜか休みましたけど(笑)





この日、妹はいろんな葛藤と戦っていたのだと思います。


学校に行けなかった頃の苦しさを思い出し、二度と戻りたくないと思ったのではないでしょうか・・・


本当のところは本人にしか分かりませんが、自ら辛くとも学校へ行く選択をしました。


本当に頑張ったと思います。


その次の日は休んでしまいましたが、ちょうどよいタイミングで訪れたゴールデンウイークで心身のリフレッシュができたのか、連休明けからはまた変わらず元気な姿で登校できるようになったのです。


今まではタイミングの悪さで良くないことが起きることが多かったのですが、今回はゴールデンウイークによって我が家の危機が救われました。


この日を境に、我が家の雰囲気は更に良い方向へと進んでいったのです。







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