中学3年生で復学を果たした二人。
二人とも1日だけ休みましたが、それ以外は元気に学校へ行く日々が続いていました。
『久々に会う友達と上手くやっていけるのかな・・・』と娘たちの事が心配でしたが、元気に学校へ行く姿を見ていつの間にかそんな心配は消えていました。
そんなある日、妹が『今日はちょっと遅刻して行きたい』と少しだけ遅れて登校しました。自分は『また疲れが貯まってきたのかな・・・』という感じで捉えていました。
その日も遅刻はしたものの、部活動までしっかりやってきたのでなんの心配もしていませんでした。
すると、その日の夜に妹が嫁に『部活が精神的にキツい』と告げたそうです。
話しを聞くと、器械体操部の中に物静かで大人しい子が一人いて、その子が部員の3~4名からイジメのような仕打ちを受けているというのです。
イジメてる側とは仲の良い友達なのですが、なんであんなことをするのだろう・・・と、見ていて心が苦しくなってきたと。
妹は感受性が特に高いので、そういうものには強く反応してしまいます。
そして次の日の朝、妹が『学校に行きたくない』と泣き始めたのです。
学校というよりは部活動に行きたくないようです。
嫁は『無理しなくていいよ。行くか休むかは自分で決めてね』と伝えると、時間ギリギリまで悩んでいたものの自らの意思で学校へ向かったのです。
彼女の中でどのような葛藤があったのか本当のところを知ることはできませんが、不登校のきっかけとなった【学校に行かない】という選択をして後悔だけはしたくないとの思いがあったのではないでしょうか。
以前の妹であれば『無理をして学校に行ってしまった』と自分は感じたことでしょう。
しかし、今回の妹の行動は不登校を乗り越えて精神的に一回り成長したのだと・・・強くなったのだと思いました。
こうして妹が綱渡りのような気持ちの揺れで不安定ながらも登校している中、姉のほうは学校を休んでしまいました。
姉もまだ精神的にも体力的にも慣れていないのでしょう。しばらくは五月雨登校が続きそうな雰囲気ですが、妹が学校に行っているので、長く休むことはないはずです。
そんな状況の我が家に学校から電話がありました。
近々、久しぶりのカウンセリングがあるのですがその件について教頭先生からの電話でした。
話の内容としては『今カウンセリングの担当をしていただいている○○先生についてですが、今回を最後として下さい』という最後通告でした。
どういうことかというと、妹の不登校が始まった時から学校のカウンセラーだったおじいちゃん先生が我が家のカウンセリングを担当してくれていました。
不登校が始まったのが中学1年の1月だったのですが、その春におじいちゃん先生の担当校が変わり別の中学校の担当となってしまったのです。
我が家は姉妹で不登校の真っ最中。
自分と嫁は、おじいちゃん先生に助けてもらう以外は考えられなかったので学校側に『何とかして続けることはできないでしょうか?』とお願いしたのですが、残念ながら良い返事を頂くことができませんでした。
それをカウンセリングの場でおじいちゃん先生に伝えると『私自身は全然構わないですが、学校側から了解を頂けないと・・・。まだお子さんが良い状態になっていないので、私としては続けたいですけど。』と言ってくれたのです。
我が家はまだ全く先が見えない状態だったので、もし学校側からダメだと言われても新しい担当校に伺うとか個人的にお願いをする等、どんな方法を使ってでもおじいちゃん先生にお願いをするつもりでいました。
すると、その後に学校から『カウンセリングを続けても大丈夫です。』という連絡を頂き、おじいちゃん先生に担当を続けて頂けることになったのです。
そのとき、おじいちゃん先生は『ここの学校はちょっと分からないですね。私が良いって言っているのに了承してくれないんです。』と話してくれました。
我が家のほかに、もう1名カウンセリングを受けていた子がいたのですが、我々の為に学校側を説得してくれたことが分かり、感謝の気持ちで一杯になりました。
それから丸1年は、別の学校のカウンセラーでありながら我が家ともう1名の為だけに学校へ来ていただいていた訳なのです。
なので学校側からすれば1年間特例で対応してあげたので、今回で終わりにしてください・・・ということなのでしょう。
同じくカウンセリングを受けていたもう一人の生徒の状況は全く分かりませんでしたが、我が家ではとりあえず目標としていた復学まで辿り着けることができました。
今回のカウンセリングが最後となっても、おじいちゃん先生には十分すぎるほどの御指導を頂くことができたので学校にもおじいちゃん先生にも感謝の気持ちだけしかありません。
そして、嫁が最後のカウンセリングを受けに学校へ伺いました。
嫁がおじいちゃん先生に我が家のこれまでの状況を報告すると
『本当に良かったですね。今アドバイスすることは何もないです。よく頑張りましたね。』
という言葉を頂きました。
自分たちはおじいちゃん先生のアドバイスに基づいて忠実に実行しただけで、助けて頂いた立場なのに『頑張ったね』という言葉を頂いたことが本当に嬉しかったですね。
我が家とおじいちゃん先生の関係は目的を達成できた形で終えることとなったのです。
不登校で苦しんでいる子供や親は、形こそ違えど皆何とかしようと苦しみ、抜け出そうと頑張っていると思います。
それなのに、その苦しみや頑張っていることを共感してくれる人が少ないので自分の中で何とか消化するしかないのです。
自分でストレスを上手く発散できる方もいますが、子供の事が頭から離れずストレスが溜まる方のほうが多いのではないでしょうか?
そんな時、話を聞いてもらっただけでも心が軽くなることを知りました。
不安でいっぱいのときに『大丈夫だよ。頑張って』という言葉で、前向きになれることも分かりました。
不登校を経験して失ったものもありましたが、我が家は得たもののほうが多かったように思います。
【不登校を通じて子供と共に親も成長する】
これが真髄なのだと思います。
【不登校】最後のカウンセリング
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