【不登校】公立受験直前の事件 Part1

不登校
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歓喜の合格発表から1週間・・・


公立高校受験の出願日が来ました。


妹は当初の予定通り、自分の希望する高校へ出願です。


私立高校の合格を決めている妹は出願を機に最後の追い込みに・・・とはなるはずもなく、これまで通りのスタイルで勉強を続けていました。


妹にとって今回の受験はあくまでも【チャレンジ】


もちろん合格したい気持ちはありますが、そもそもE判定を受けているので合格確率は20%以下という無理ゲーなのです…


誰よりもそれを理解している本人は、肩に力が入ることもなくこれまで通り3月5日の受験に向け、勉強を淡々と続けていました。


そして受検を3日後に控えた3月2日、その出来事が起きてしまったのです。


塾の激励会を終えた妹を嫁が迎えに行き『今日は美味しい刺身が食べたいね』と、いつも行っているスーパーへ二人で買い物に行きました。


すると、いつもはたくさん置いてあるはずの刺身が少なく、気に入ったものがなかったのです。


どうしても美味しい刺身が食べたかった二人は『じゃ、別のスーパーに行ってみよっか!』と、普段あまり買い物することのないスーパーへと場所を変えました。


そこでは気に入った刺身があり、その他の物も買い物をしてレジへ向かいました。


嫁がカートを押しながら前に並び、妹が後ろへ並びます。


しばらくすると妹が嫁の腰を肘でツンツンとしました。


『なんか後ろの人が変だ』


『たぶん撮られた』


と耳元で嫁に伝えます。


『カゴの中にスマホが入ってる…』


異変を感じた嫁は妹を自分の前に移動させてからとりあえず支払いを済ませました。


妹から話しを聞くと後ろの人の買物カゴが自分の後ろ側のすぐ下にあることに気付き『変なところにカゴを置いてるな』と思ったそうです。


するとカゴの中にレンズを上向きにしたスマホを見つけました。


盗撮です。


見ると大学生ほどの若い男性で、何食わぬ顔でレジに並んでいます。


嫁は『どうしたら良いのだろう・・・このままでは逃げられてしまう。』


しかし直接向かうのはさすがに怖いし、警察に電話するべきなのか。


どうしようと迷っているうちに男性はレジを終えて外に向かいます。


そこで嫁はとっさにその男性に分かるように警察と電話をしているフリをしたのです。


男性を見ながら、あえて聞こえる様に特徴を伝えるフリをしました。


すると男性は焦ったように駐車場に向かいました。


『とにかく何かしないと・・・』


嫁は追いかけて少し遠くからスマホで男性の写真を撮り、さらに車に乗ったのを確認してからナンバーがわかるように車の写真も撮ったのです。


そして男性は車で去っていきました。


自分は帰宅してから事の顛末を二人から聞きました。


被害者である妹は『下にジャージ履いてるから何ともないんだけど、気持ち悪いよ』とそれ程ショックを受けていないように見えます。


嫁が『急な出来事で動揺しちゃって何もできなかった、ゴメンね。でも写真は撮ってきたんだよ』と自分に見せてくれました。


ジャージを着ている、どこにでもいそうな青年が写っています。


妹はそれほど気にはしていないようでしたが、このまま黙っているわけにもいきません。


しかし、何よりも3日後に高校受験を控えています。


何をするにしても妹に精神的な不安や苦痛は与えたくありません。


しばらく悩みましたが嫁と相談し、やはり警察に届け出だけはしておいたほうが良いとの結論に至りました。


ただし相手を捕まえてくれというのではなく、こんなことがありましたとの報告程度にしておこうと。


そして嫁が警察に電話をして、今日起きた出来事を伝えました。


すると警察が『これから自宅に伺ってもよろしいでしょうか?』と聞いてきました。


嫁が『すみません。受験を控えているもので、本人に不安な思いはさせたくないのですが・・・』と伝えると警察は『そうなんですね。本当に申し訳ありません。時間は取らせませんので少しだけお話を伺いたいのですが』と。


妹に確認をすると『ちょっとだけならいいよ』と言ってくれ、警察が家に来ることになったのです。



・・・続く




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