【不登校】卒業式

不登校
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妹の公立高校受験の2日後は中学校の卒業式でした。


我が家では【初めて】となる中学校の卒業式です。


本来であれば長男の時が初めてになる”はず”でしたが、長男の不登校時期と重なり卒業式には参加することができず、嫁が学校に行き卒業証書をもらってきただけの卒業式だったので今でも苦い思い出として心に刻まれています。


そんな経験をしていたので、妹達が無事に卒業式を迎えることは何よりも嬉しかったのです。


長男の不登校の時も姉妹の不登校の時も、頭の中でよくこんなことを考えていました・・・


『もし復学出来て卒業式に出席することができたら、どんなに感動するのだろう。不登校時期の苦しさを思い出して、大泣きしてしまうかな・・・。卒業式に出れたらいいな』と。


長男の時は叶わぬ願いで終わってしまいましたが、こんどは念願が叶い妹達の卒業式を迎えることができるのです。


本当に待ちに待った卒業式なのです。


そして卒業式当日。


朝に姉妹を見送り、嫁と二人で中学校へ歩いて向かうと通学路は同じように正装で歩く父兄の姿がたくさん見えました。


見慣れたはずの景色なのにとても輝いて見えます。


嫁と二人、この景色の中に自分達がいることのできる幸せを感じながら歩んでいたような気がします。


他愛もない会話をしながら歩き、家から15分ほどで中学校に到着しました。


玄関に入り持参したスリッパに履き替え、受付へと向かいます。


そして受付を済ませると卒業式の式次第と一緒に手紙を渡されました。


見ると『お父さんお母さんへ』と書いてあります。


娘たちから私達親への手紙でした。


どんなことが書かれているのか気になって仕方がありませんが、控室となる教室まで我慢します。


空いている椅子を見つけ二人で座りドキドキしながら初めに姉の手紙を開けました。


姉は自分宛てと嫁宛ての2通に分かれています。


お父さんへ
まずは、今まで育ててくれてありがとう。
ママとパパにはいっぱい迷惑をかけちゃってごめんなさい。
1年生の時、体操で脱臼したとき大変だったよね。
病院の付き添いとか、左手しか使えないから色々手伝ってもらったり、
たくさん心配してただろうけど、時には笑い飛ばしてくれて嬉しかったです(笑)
あとは、学校に行かなかったこと、本当にごめんなさい。
ママもパパも仕事で疲れて、家で休みたかったはずなのに
家でも気を使わせてしまってごめんなさい。
今の家ではちゃんと休めてるかな?
これからは華のJKだし、青春しないといけないし、単位取ってちゃんと卒業しないと
いけないからしっかり通います。
パパは昔から「好きなことをやればいいよ」って体操とかピアノとかバドミントンとか
ヤートセとか塾とか、いろいろチャレンジさせてくれてありがとう。
ごめんね、お金が掛かる娘で(笑)
でもね、そのおかげで「これやっておけば良かったな」って思うものが1つもないの。
だから本当にありがとう。
しいて言うなら歯の矯正くらいかな?ww
まあ、やらなかったのは自分のせいなんだけど(笑)
とにかく!!パパには色々な場面で助けてもらっていて本当に感謝しています。
本当にありがとう。
これからもよろしくお願いします!
          ○○(姉の名前)より

☆就職してある程度お金がたまったら、パパとママが行きたい所に連れていくことをちかいます!
楽しみにしててね~




お母さんへ
まずは、今まで育ててくれてありがとう。
楽しい思い出もいっぱいあるんだけど、今思い出すのは迷惑をかけたことばかりで、
申し訳ないなと思っています。
一緒に暮らしていくなかで自分勝手な行動で困らせたり、1年生の体操で脱臼したときは、
やっと文字が書けたり、ごはんをフォークで食べられる状態で、お風呂はシャンプーを
毎回やってくれたり、着がえのときもほぼ毎日迷惑をかけたよね。
今までの中で1番申し訳なく思っているのは、学校に行かなかったことです。
この件でママとパパに大きなストレスを与えてました。
それに家の中でも気をつかわせてしまって、本当にごめんなさい。
ママも相当なストレスがたまっていたはずなのに、うちらのことを考えて行動してくれて
本当に感謝しています。
「ありがとう」も何個か言いたいから書きます!!
学校や部活で辛いときグチを聞いてくれてありがとう。
友達関係がギクシャクして不安なとき、相談乗ってくれたり、時には軽く聞き流して
テキトーな返事をくれてありがとう。(ママは本当にめんどくさくて聞き流してるだけかも
しれないけど、意外と助かっています。だからってこれからもずっと聞き流すのはやめてよ)
あとは育ててくれて、産んでくれてありがとう。
前にも言ったことあると思うけど、普段は良い意味でお母さんって感じがしないから、
友達みたいに気さくになんでも話せるし、話してて凄い楽しい。
すごいケンカもするし、お互いイライラすることはたくさんあるけど、
何があっても家の味方でいてくれて、となりにいてくれて本当に嬉しい限りです。
BTSとかWESTとかJUMPとか「大好き、大好き」って騒いでいるけど、
ママが世界で1番大好きです。

・高校生になって卒業したら美容専門学校に通って就職して、ある程度お金がたまったら
ママとパパが行きたいところに連れていくことをちかいます!!
楽しみにしててネ。

だからこれからも仲良くやっていこ!
これからもよろしくお願いします。
          ○○(姉の名前)より

いつも甘えに行けないし、ママが甘えに来たら本気で嫌がってごめん
でも、そういう性格だから許してチョーダイ♡♡



次は妹の手紙です。



ママとパパへ
まず15年間育ててくれてありがとう。
ここまで成長できたのは、ママとパパのおかげだと本当に思ってるよ。
私が学校に行けなかった時、最初は食事もしなくて規則悪い生活なんて
あたりまえのような感じだった。
友達も少しづつ離れていった時、私の心の支えは家族しかなかったと思う。
外に出ることすらも怖くなってた時もあったけど、いろんな場所に行ったりしてくうちに
外に一人で出れるようにもなった。
2年生の秋頃かな?○○○○○○(適応指導教室)に出会った。
最初は人が怖かったから急に教室に入れなくていたけど
冬のウィンタースクール(スキー教室)に行くために入った時は、普通に楽しかった。
○○ちゃん(仲良くなった友達)とも仲良くなれて、みんな優しくて、あんないい場所には
一生出会えないと思う。
そんな場所に出会わせてくれてありがとう。
○○(長男の名前)が学校に行かなくなった時、気持ちが分からず、いろいろ八つ当たりして
ごめんなさい。
ママもパパも必死だったと今なら理解できるようにもなった。
これが今の私の気持ちです。
いろいろあったけど今学校行けて毎日が楽しいよ。
いろいろあったおかげで、誰を友達として大切にしていかなきゃならないのかいろいろ分かった。
長いようで短かったような1年間支えてくれてありがとう。
高校に入ったら、今より勉強頑張るし、学校がOKだったらバイトもして、今まで使わせたお金も
少しずつ返せたらとも思ってる。
パパもママもなんでもため込んじゃうから。
家事が嫌になったら手伝うし、肩ぐらいならもめるからさ、うちらにもたまには頼ってね。
次手紙を読むときは、たぶん成人式か結婚式かな?
まあ、私が子供の時に書く最後かもしれないから大事にしてね笑
最後に15年間本当にありがとうございました。
                   ○○(妹の名前)より



嫁はこれまでのことを思い出したのか、手紙を読み終えると涙を流していました。


自分も感動しましたが、それよりも二人が【不登校】を経験し成長してくれたことが嬉しかったのです。


そして二人とも自分と嫁が苦しんでいる姿をしっかり見ているんだな、と(笑)。


不登校の真っ只中にいると子も親も冷静さを失い、迷路に迷い込んでしまいます。


その時はいろいろなことを熟考しているつもりですが、焦りもあり冷静な判断すらできない状況になっていたような気がします。


でも、いざ不登校を克服してみたら、実はそれ程大きな問題ではなかったのかな?なんて気持ちすら沸き上がってきました。


我が家の場合は思春期のちょっとした出来事で、もしかしたら笑い飛ばしていれば解決していたのかもしれない・・・二人の手紙を読んでそんな気持ちにもなりました。


手紙の雰囲気からすると、二人とも高校生活は楽しく過ごしてくれそうに思えました。


本当に良かった・・・。


今まで知りたくても知ることのできなかった二人の胸の内を知ることができて、今まで抱えていたモヤが晴れるように心がスッキリしました。


しかし式の前に手紙を読んでしまったことで、卒業式のクライマックスを迎えてしまったような感じになっちゃいましたけどね。


その後に行われた卒業式は滞りなく進み、2人ともしっかり卒業証書を頂くことができました。


長男の時には学校に来ることすらできなかったので二人が卒業証書をもらう姿を見ることができ、本当に嬉しかったです。


そういえば、卒業式では子供たちの顔がしっかりと見えるように、カメラの映像をスクリーンに映していました。


今どきでオシャレですよね。


式が終わると父兄は最後の学活を見る為に子供がいる教室に移動します。


嫁は妹の方へ、自分は姉の教室に入りました。


姉のクラスでは担任の先生が一人一人に卒業証書を手渡しして、受け取った生徒がみんなに向かって一言ずつ話します。


中には泣いてしまい話せない子もいたりして、その姿を見て涙腺が緩んでしまいます・・・


担任は若い男性の先生で「卒業式でみんなの姿を見ていたら、涙が止まらずに一人で目を真っ赤にしてしまいました。」と涙声で話します。


「みんなのお陰で今日を向かえることができました。ホントにありがとう。みんなのクラスを受け持つことができて幸せでした。」と教室が感動で一杯になったのでした。


1年程前までは出ることができないと思っていた卒業式でしたが、姉妹揃って無事に卒業することができ、本当に良かったです。


嬉しい・・・と言うよりは安堵の気持ちの方が大きかったように思います。


我が家にとっては本当にめでたい1日となりました。


さて、卒業式を終えて残るは妹の公立高校合格発表です。


最後にどんな結末が待っているのでしょうか?



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