空手を一緒にやっているお父さんとの稽古後の話しの中で
『実は、息子が空手辞めることになった。』と聞きました。
現在は中学3年生で練習も一生懸命、高校に行って活躍するのを楽しみにしておりました。
しかしその子は道場でのクラス分けでいろいろなことがあり、それが発端となり徐々に空手に対しての情熱が薄れていったようです。
少し前から学校にも行ったり行かなかったりするということも伺っていました。
そんなお話を聞いたり自分の経験談を話したりしている時、お父さんが会話の中で『薬を処方してもらって飲んでいる』と教えてくれました。
自分は『そうですか。良い方向に進んでくれればいいですね』とは言いましたが、内心はとても複雑な気分になりました。
我が家も長男のときに全く同じ状況に置かれ、薬を飲まなかった経緯があるからです。
その時は飲むか飲まないかは決めないで、とりあえず先生から『セルシン』という薬を処方してもらいました。
セルシン・・・不安や緊張などをしずめたり、筋痙攣の症状を改善するベンゾジアゼピン系の薬です。 通常、不安・緊張・抑うつなどの治療、筋痙攣、麻酔の前などに用いられます。
その『セルシン』をどうするか?とにかく悩みました。
もともと、自分があまり薬というものに頼りたくない考えを持っているので基本的には飲ませたくない・・・
しかし高校受験が目前まで迫っていたので我々夫婦も追い詰められていました。
薬を飲んだら元気になって学校に行けるのか?
薬を飲んだら問題が解決するのか?
子供にこの類の薬を飲ませても大丈夫なのか?
ネット、本・・・とにかく時間を見つけては情報を調べまくりました。
最終的に夫婦で話し合い『息子には薬は必要ない』ということで飲ませないことに決めたのです。
その時の判断が正解だったのかどうかは今でも分かりません。
もしかしたら薬のおかげで希望していた高校に行ける様になっていたかもしれないし、逆に悪化していたかもしれない・・・
ただ、我が家の場合は『あの時は飲ませなくて良かった』と思っています。
あくまでも我が家の場合です。
あの時の長男は動くためのエネルギーがなくなってしまい全てが止まってしまったのだと思っています。
エネルギーを蓄える為の時間が必要だっただけなのだと思います。
しかし、その薬のおかげで助けられている方もたくさんいるはずです。
でも、薬だけでは解決しないのではないでしょうか。
薬に関しては良い、悪いという簡単なことではなく、正しいタイミングで効果的な使い方であれば選択肢の一つになるのかな?と改めて思いました。
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