『どうなるかは分からないけど、とりあえず勉強しようと思う』という発言からすぐに、長男は勉強を始めたのです。
自分も嫁も、半信半疑だったので本当に驚きましたよ ( ゚Д゚)
まさか、本当に始めるとは・・・
ちょっとしたことで気持ちが上下するのはこれまでにも何度も経験して十分に分かっていたので、うれしい気持ち半分、不安な気持ちが半分ってとこでしたね。
長男が頭の中でどのような構想を描いているのかは伺い知ることはできませんでしたが、仲のいい友達とも会う機会が徐々に多くなり、遊んだり勉強したりとどんどん活動的になっていきました。
不登校のエネルギー曲線で言えば【中期】の停滞から【後期】の試行の状態になってきた頃だと思います。
【中期】 心の状態(停滞)
〇子供の状態
・気持ちが外に向き活動の意欲が出る
・趣味や遊びに関心が向く
・気持ちを言葉で表現する
・手伝いや家族への気遣いをする
・適応教室や相談機関に通い始める
〇支援の方針
・ゆとりを持って見守る
・じっくり聴く
・関心を持って一緒に活動する
・わずかなことでも認め、褒める
【後期】 心の状態(試行)
〇子供の状態
・自分を肯定する言葉が出てくる
・進学や就職の話をするとき、笑顔があらわれる
・学習を始める
・担任や級友などの学校関係者に会う
・登校や進学・就職に向けて動き出す
〇支援の方針
・進路、学習、就職等の情報を具体的に提供する
・学校との情報交換等を密にする
・子供の環境意欲を喚起する環境づくりをする
・受け入れの体制づくりをする(学校、進路先)
我が家の長男は、まさにこの通りの回復の道を歩んでいました。
自分の意思で歩き出そうとする大事な大事な時期です。
このあたりでは【後期】の支援方針にもあるように、学校から情報を得ることができない長男には受験や高校についての情報をできるだけ与える様に意識していましたね。
我が家の場合は『受験』という大きなイベントがあることで親も焦る気持ちでいっぱいいっぱいになってしまったのですが、逆に『受験』というものがあったおかげで、長男も自分の意思で歩き始めてくれたのだと思います。
でも何よりも、長男が動き始めるのをじっと待つことができたのは、スクールカウンセラーのおじいちゃん先生のおかげです。
『この人の言うことを信じていれば大丈夫!!』という安心が、自分と嫁に『待つ勇気』を与えてくれました。
この出会いがなければ長男が自分の意思で歩き始めるまで待てていたのかどうか・・・
もしかしたら、違った道を歩んでいたのかもしれない。
ホント、この出会いには感謝感謝なのです。
そして、またスクールカウンセリングの日が来ました。
そこで長男の状況をおじいちゃん先生に伝えると
『友達と会えるようになってからすごく良い方向に向いています。勉強に挑むようになったこともとても良いです。受験しようと思ったことも前への一歩を踏み出せたことです。本人が定時制を望んでいるのであれば、それを応援してあげることが一番でしょう。でも、無理強いするとすぐに振り出しに戻ってしまいます。倍率が高い学校ですが、本人が納得しているのであれば、それでもやるでしょう』
というアドバイスをいただきました。
おじいちゃん先生も、前に進んでいると言ってくれた。でも、まだ振出しに戻る可能性があることを知り、気を抜いてはいけないな・・・と改めて思いましたね。
それから1週間後・・・推薦の高校受験の前日になりました。
長男は推薦の高校受験の欠席届を提出し、定時制高校への願書を書き、学校に提出しました。
長男が、自ら選んだ道です。
これから進むべき道が決まったのです。
年始に『今年は受験しない』という宣言をされ、精神的に辛い思いもしましたが、よくここまで立ち直ってくれました。
明るい未来が少しだけ見えてきました。
高校受験まで、あと1カ月ちょっと・・・
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