私の不登校経験⑥

不登校
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いよいよ復学の朝がやってきました。


何処かへ逃げ出してしまいたいほどの緊張感と不安で胸が苦しくなります。


それでも子供ながらに「今日のチャンスを逃すと本当に学校に行けなくなってしまう。絶対に行かなければ」と強く決心していたと記憶しています。


“勇気を振り絞る”という言葉がありますが、それまでの人生の中で一番の勇気を出すべき時です。


親の前では心配を掛けないよう不安を押し殺しながら朝ご飯を少しだけ食べ、いよいよ学校へ向かいます。


久しぶりの通学路を歩きながら頭の中は


「途中で友達に合ったらどんなふうにすればいいんだろう・・・」
「教室に入ったらどんな態度をすればいいんだろう・・・」


考えても考えても答えが出ないまま歩きます。


とにかく不安しかありませんでした。


通学路では運が良いことに誰とも会うこともなく学校の玄関に到着しました。


周りの視線を気にしながら久しぶりの内靴を履き、教室へ向かいます。


心の中で自分自身に『ガンバレ!ガンバレ!』と応援をしながら歩いていたと思います。


そして教室の前に着きました。


『とにかく中に入ればなんとかなる』


意を決して教室に入ります。


クラスメイトがどんな反応をするのかが心配でしたが、それを伺う余裕は自分にはありませんでした。


すると仲の良い友達が集まってきました。


『久しぶりだな!どうして休んでたの?』『体大丈夫?』


いろいろと聞かれましたが自分は笑顔で『うん。大丈夫だよ!』と言うと、これまで何事もなかったかのようにいつもの日常が戻っていたのです。


わずか5分ほどです。


皆がどんな態度を取るのだろう、とあれほど悩んでいたのがわずか5分で終わっていたのです。


その瞬間、心の中が晴れていくのが自分でも分かりました。


きっと自分には聞こえないように友達同士でいろいろと話をしていたのでしょうが、自分に対して直接あれこれ言ってくる人がいなかったので嫌な思いをすることもなく、すんなりと戻ることが出来たのです。


何も変わらない日常へ自分は戻ることが出来たのですが、以前の日常とは違うことに気が付きました。


自分に嫌なことをしていた友達(以下A君とします)が、グループの輪から外れていたのです。


それは自分がいなかった時からなのか自分が登校をした事がきっかけになったのかは分かりませんが、以前のグループの輪の中に入ってこないのです。


もちろん自分からA君に話しかけることはなく、相手から話しかけてくることもありません。


『どうなっているんだろう・・・』


そんなことを思っていると、ある出来事が起きたのです。


自分がいつものグループで話をしていると、その中の一人(以下B君とします)が『あいつ、なんか偉そうにしてないか?』と皆に話し始めたのです。


あいつとは自分に嫌なことをしたA君です。


するとA君に近づいていって突然胸ぐらをつかみ『お前、調子に乗るなよ!』と言ったのです。


余りにも急な展開で何が起こったのか自分は理解できずにいました。


A君は何も言い返さずに黙って下を向いています。


その後二言三言何かを怒鳴るように言うとB君は自分のいるグループに戻ってきて


『ホントにムカつくな。ま、これで大丈夫だろ。遊ぼう!!』と言いました。


その言葉が自分に向けられていたのかグループの皆に言ったのかは分かりませんでしたが、これまでの関係性が完全に崩れたのです。


自分の事が何らかの形で友達の耳に入ったのか、単純にB君が我慢できずにA君に向かって行ったのかは分かりませんがA君が仲間外れにされました。


その光景を目にして、自分はとても複雑な気持ちになりました。


これまで辛く嫌な思いをしていた人の気持ちが分かっただろうという気持ちと、人が辛い思いをしている姿を見るのが苦しくて可哀想と言う気持ちが入り混じった複雑な気持ちです。


その日から自分達のグループとA君は距離を置くようになり、自分は今までと変わりなく仲の良いグループの友達たちと心置きなく遊ぶことが出来るようになったのです。


その日の夕方に母親へ報告、そして夜に帰ってきた父親に『学校楽しかったよ!』と報告しました。


その時は自分は何も分かりませんでしたが、両親の気持ちを想うと本当に嬉しかったことでしょう。


その日以降、自分の意思で学校を休むことはなく楽しく学校へ通うことが出来るようになったのです。


良い仲間に恵まれていたおかげで何の問題もなく復学でき、楽しく学校に通うことが出来るようになったのでした。


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これが自分の不登校経験の全てになります。


自分の時代は『不登校』などという言葉はなく、『登校拒否』と呼ばれていました。


当時は稀で親もどんな対応をして良いのか分からず苦しんでいたのだと思います。


本当に迷惑を掛けてしまったと思います。


自分の場合は親の一言がきっかけとなり復学へ向かうことが出来たのですが、今の時代はこんなに簡単には行かないことが大半なのではないでしょうか。


いろいろな原因、要素、そしてタイミングが複雑に重なり行けなくなっていることが多いと思います。


不登校解決の答えは一つではなく、不登校の数だけ答えが違うはず。


自分の経験談がほんの少しだけでも参考になれば嬉しいです。


ーーー終わり


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